男はいくら結婚しても一人になりたい時があるもんなんですね!
真昼の暗黒
司法を問い質す社会派ムービー!裁判員制度が始まった今、あらためて観る意義のある一本と云えよう。
我が国において、最初の裁判批判映画との呼び声高い歴史的名作である。
1951年(昭和26年)、1月。山口県の片田舎で老夫婦が惨殺され、金銭が奪われる強盗殺人事件が発生。捜査線上に浮かび上がった被害者宅の近所に住む小島と云う男を警察は逮捕。小島も犯行を自供した。しかし、現場の状況から複数人の犯行と断定していた警察は、小島に対し共犯者に関する供述を強要する。単独犯である事を主張していた小島も警察による暴力的な尋問により、つい遊び仲間であった植村、青木、宮崎、清水の名前を告げてしまうのであった。
虚偽の供述に基づき、次々と逮捕される4人。身に覚えのない罪を否定する4人に対し、警察は尋問室で壮絶な拷問を加え自白を強要。そうして都合の良い様に供述させられた4人に対し、地裁は「植村は死刑、他は無期懲役」なる判決を云い渡し…。
あらすじだけ見ると到底信じられない恐ろしい話だが、本作は実際にあった八海事件を元に作られている。
原作は、事件の弁護士であった正木ひろし氏の手記『裁判官』であり、氏はその冤罪性を世に訴える為に著作を出版。それを受けて名匠、今井正と名脚本家、橋本忍が立ち上り、映画化に踏み切った次第である。
製作時はまだ事件が最高裁で審理中であった為、裁判所や映画会社から相当な圧力がかかったと云う。しかし、それに屈する事無く映画製作は断行。そんな作り手の使命感みなぎる執念は、その年の流行語にもなった有名なラストシーンのセリフに象徴されている。
本作は結局、独立プロ配給の巡業公開となりながら、大衆の圧倒的支持を受け大ヒット。批評家にも絶賛され、その年のキネマ旬報ベストテン第一位に輝いたのはご存知の通り。
そんな本作が与えた社会的影響は凄まじく、結果、4人には無罪が云い渡される事となる。とは云え、裁判は事実認定を変換させ続け、7回も繰り返され、なんと17年9ヶ月におよぶ長期裁判となった。
ご周知の如く、本作から学べる教訓は、官憲の横暴ぶりに被害者がなす術を持たない法制度の問題点であろう。
やはりこの点が、現在の裁判員制度を考える上での重要ポイントだと思う。
警察の杜撰な捜査により仕立て上げられた犯人を、“国家を背負った面子”を気にして過ちを認めようとしない裁判所―。なんとも背筋の凍る構図である。
現実には、そういったケースの冤罪事件が後を絶たず発生しているのだ。
(周防正行監督の『それでもボクはやってない』(07)も同じテーマを扱っており、本作との構成の酷似に気付かれた方も多かろう)
しかしながら、本作を観て問題意識を高める事はあっても、自分が逮捕・起訴され裁判にかけられる姿を想像するのは難しいと云わざるを得ない。
そういう意味で、国民が司法に当事者としての意識を向けざるを得ない裁判員制度は重要な意味を持つ事であろう。
暴力的な取り調べ方法の是非も含めたそんな問題点に、今まで以上に国民が眼を向け、改善させるキッカケとして作用するのは間違いない。
と、なんとなく固い事を書き連ねたが、そんな事を抜きにしても本作は“極上のエンターテインメント”である。
キャストを見ても、草薙幸二郎、左幸子、松山照夫、矢野宣、牧田正嗣、小林寛、内藤武敏、山村聰、菅井一郎、山茶花究、加藤嘉と今となっては贅沢な芸達者揃い。
被告の母親役の北林谷栄、飯田蝶子、夏川静代もさすがの好演!
そして、橋本忍の脚本の見事なこと!持ち味である時間軸を縦横無尽に行き来して見せる手腕が、本作でも冴え渡っている。
使い勝手の良い回想シーンは下手な人間が書くとタダの説明になり、物語の流れをぶつ切りにしてしまう。回想シーンをドラマとして成立させ、感情を通して見せきるのは、実は名人芸を要するとてつもなく難しい脚本技法なのである。
他の追随を許さない、もはや芸術とも呼べる構成力を堪能すべし!
演出に関しては左翼系監督、今井正の真骨頂とも呼べる気迫溢れるもので、そのダイナミックな躍動感は観る者の感情を否応なく揺さぶり、圧巻の一言。
イデオロギーを過度におし付ける事無く、一級の娯楽作として作品を仕上げるそのプロ根性に脱帽だ。
それにしても本作の様な作品を観ると、つくづく世を変える事の出来る“映画の可能性”を感じずにはいられない。
そういった気概のある日本映画を現在においても、もっと観てみたいものである…。
ttp://movie.goo.ne.jp/usr/10020608/movie/PMVWKPD24760/index.html
昔はよくゲームしてましたよ、、本当に。ゲーマーか!ってくらいw
今では本当しなくなりましたね。。不思議のダンジョンシリーズが
めっちゃ好きではまってましたね!
私の青春はゲームと共にあったと言っても過言ではないっすなw
PICKUP
愛車を高く売る方法
失業保険
顧問税理士をご紹介
多重債務体験者は語る
グレードで違う査定額
どうなる?!総量規制の影響
多重債務問題を解決!
保険解約は損?
エスターハーツィーシュニッテン
ヒアルロン酸でアンチエイジング
司法を問い質す社会派ムービー!裁判員制度が始まった今、あらためて観る意義のある一本と云えよう。
我が国において、最初の裁判批判映画との呼び声高い歴史的名作である。
1951年(昭和26年)、1月。山口県の片田舎で老夫婦が惨殺され、金銭が奪われる強盗殺人事件が発生。捜査線上に浮かび上がった被害者宅の近所に住む小島と云う男を警察は逮捕。小島も犯行を自供した。しかし、現場の状況から複数人の犯行と断定していた警察は、小島に対し共犯者に関する供述を強要する。単独犯である事を主張していた小島も警察による暴力的な尋問により、つい遊び仲間であった植村、青木、宮崎、清水の名前を告げてしまうのであった。
虚偽の供述に基づき、次々と逮捕される4人。身に覚えのない罪を否定する4人に対し、警察は尋問室で壮絶な拷問を加え自白を強要。そうして都合の良い様に供述させられた4人に対し、地裁は「植村は死刑、他は無期懲役」なる判決を云い渡し…。
あらすじだけ見ると到底信じられない恐ろしい話だが、本作は実際にあった八海事件を元に作られている。
原作は、事件の弁護士であった正木ひろし氏の手記『裁判官』であり、氏はその冤罪性を世に訴える為に著作を出版。それを受けて名匠、今井正と名脚本家、橋本忍が立ち上り、映画化に踏み切った次第である。
製作時はまだ事件が最高裁で審理中であった為、裁判所や映画会社から相当な圧力がかかったと云う。しかし、それに屈する事無く映画製作は断行。そんな作り手の使命感みなぎる執念は、その年の流行語にもなった有名なラストシーンのセリフに象徴されている。
本作は結局、独立プロ配給の巡業公開となりながら、大衆の圧倒的支持を受け大ヒット。批評家にも絶賛され、その年のキネマ旬報ベストテン第一位に輝いたのはご存知の通り。
そんな本作が与えた社会的影響は凄まじく、結果、4人には無罪が云い渡される事となる。とは云え、裁判は事実認定を変換させ続け、7回も繰り返され、なんと17年9ヶ月におよぶ長期裁判となった。
ご周知の如く、本作から学べる教訓は、官憲の横暴ぶりに被害者がなす術を持たない法制度の問題点であろう。
やはりこの点が、現在の裁判員制度を考える上での重要ポイントだと思う。
警察の杜撰な捜査により仕立て上げられた犯人を、“国家を背負った面子”を気にして過ちを認めようとしない裁判所―。なんとも背筋の凍る構図である。
現実には、そういったケースの冤罪事件が後を絶たず発生しているのだ。
(周防正行監督の『それでもボクはやってない』(07)も同じテーマを扱っており、本作との構成の酷似に気付かれた方も多かろう)
しかしながら、本作を観て問題意識を高める事はあっても、自分が逮捕・起訴され裁判にかけられる姿を想像するのは難しいと云わざるを得ない。
そういう意味で、国民が司法に当事者としての意識を向けざるを得ない裁判員制度は重要な意味を持つ事であろう。
暴力的な取り調べ方法の是非も含めたそんな問題点に、今まで以上に国民が眼を向け、改善させるキッカケとして作用するのは間違いない。
と、なんとなく固い事を書き連ねたが、そんな事を抜きにしても本作は“極上のエンターテインメント”である。
キャストを見ても、草薙幸二郎、左幸子、松山照夫、矢野宣、牧田正嗣、小林寛、内藤武敏、山村聰、菅井一郎、山茶花究、加藤嘉と今となっては贅沢な芸達者揃い。
被告の母親役の北林谷栄、飯田蝶子、夏川静代もさすがの好演!
そして、橋本忍の脚本の見事なこと!持ち味である時間軸を縦横無尽に行き来して見せる手腕が、本作でも冴え渡っている。
使い勝手の良い回想シーンは下手な人間が書くとタダの説明になり、物語の流れをぶつ切りにしてしまう。回想シーンをドラマとして成立させ、感情を通して見せきるのは、実は名人芸を要するとてつもなく難しい脚本技法なのである。
他の追随を許さない、もはや芸術とも呼べる構成力を堪能すべし!
演出に関しては左翼系監督、今井正の真骨頂とも呼べる気迫溢れるもので、そのダイナミックな躍動感は観る者の感情を否応なく揺さぶり、圧巻の一言。
イデオロギーを過度におし付ける事無く、一級の娯楽作として作品を仕上げるそのプロ根性に脱帽だ。
それにしても本作の様な作品を観ると、つくづく世を変える事の出来る“映画の可能性”を感じずにはいられない。
そういった気概のある日本映画を現在においても、もっと観てみたいものである…。
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